ウィスワで2連勝、中村直幹が首位に立つ
日本の中村直幹(29)が、2026年FISスキージャンプ・サマーグランプリの男子部門で総合首位に立っている。8月1〜2日にポーランドのウィスワで行われた第1戦と第2戦を連続制覇し、ポイントを一気に積み上げた。第1戦では129メートルと135メートルのジャンプを決めて個人初のサマーサーキット優勝を果たし、翌日の第2戦も最高の2本を揃えて連勝。29歳でのブレークスルーは日本スキージャンプ界に大きな驚きと期待をもたらした。
フランスのクールシュベルで行われた第2ラウンド(8月8〜9日)を終えた時点で、中村の総合ポイントは292点。8日の第1戦を制したオーストリアのダニエル・チョフェニク(200点)に92点の大差をつけており、3位はスイスのグレゴール・デシュバンデン(181点)、4位はドイツのフィリップ・ライムント(160点)と続く。この差はシリーズ折り返し時点としては近年最大規模であり、残り戦で大きな失速がなければ男子総合優勝が射程に入ってくる。
伊藤有希が女子首位に浮上、日本勢が男女独占
女子部門でも日本勢が存在感を示している。伊藤有希がクールシュベル第2戦(8月9日)を127.5メートルと125メートルの2本で制し、女子総合のトップに浮上した。それまでスロベニアのニカ・ボダンとエマ・クリネツが上位を分け合っていたが、伊藤が一気に逆転した。クリネツはウィスワ第1戦とクールシュベル第1戦を制し、ボダンはウィスワ第2戦で優勝。欧州勢の厚い壁を破っての首位浮上は、伊藤にとってもサマーシーズン最大の成果だ。
男女ともに日本人選手が総合首位に立つのは、サマーグランプリの歴史でも特筆に値する。全日本スキー連盟もこの結果を受け、秋冬のワールドカップシーズンに向けた強化体制を確認しているとみられる。なお、フランス出身でノルウェーに連盟を移籍したジョゼフィーヌ・パニエも全4戦でポイントを重ねており、欧州の再結集に向けた主役候補の一人だ。
第4戦は五輪ヒル・プレダッツォへ
シリーズ第4戦は9月18〜20日にイタリアのプレダッツォで開催される。同ヒルは今年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪でスキージャンプ競技が実施されたビッグヒルであり、五輪後初のFIS公式大会として注目を集める。欧州ホームでのスロベニア・オーストリア勢の巻き返しが予想されるなか、中村と伊藤がリードを守れるかがシリーズの最大の焦点となる。
全6戦で構成される2026年サマーグランプリの最終2戦は10月にハイブリッド形式で行われる予定だ。中村が現在のペースを維持すれば、10月のワールドカップ開幕戦には男子の明確な基準として乗り込むことになる。伊藤も残り3戦で首位をキープできれば、女子でも日本勢として歴史的なサマーGP総合優勝の可能性が生まれてくる。